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院長コラム

Doctor Column

17-くすりの話

皆さんは、ジギタリスという草をご存じでしょうか。
調べてみるとわかるのですが、Wikipediaでは「毒性と薬効」とまとめてあるところに、
「全草に毒を有する」と書いてあるなど、毒があると書いてありますし、ジギタリス中毒とも呼ばれる副作用として、「不整脈や動悸などの循環器症状、嘔気・王都などの消化器症状、頭痛・めまいなどの神経症状、視野が黄色く映る症状(黄視症)などが挙げられる」などと挙げられています。
 
でも、この毒、単純に毒だけなのかといわれますと、実をいうと違います。
このジギタリスの葉を温風乾燥したものを原料に、ジギトキシン、ジゴキシン等の強心配糖体を抽出していましたが、この薬が今でも心機能を増強する薬、不整脈を軽減する薬剤として使われています。
 
何の話かといいますと、「毒と薬は紙一重」という話です。
でも、では薬は飲まない方がよいかといわれますと、違います。
 
ジギタリスは確かに毒として命を短くすることもあったかもしれませんが、心機能が低下した患者さんに対して、他では代用できない効果を発揮する薬剤であり続けています。
 
薬を飲むというと、多くの人は、「副作用が怖い」となるかもしれません。ただ、忘れないでほしいのは、副作用以上に効果があるから、その物質は「薬」として扱われているということです。
 
確かに私も、初めて市販された薬などではどのような副作用が起こるのか予測しきれず、
怖いと感じることはあります。
しかし、その薬がどどのような経路で吸収され、どのように効力を発揮して、そして排出されるのかを理解して使うと、副作用が予想できます。
そのように、仮に副作用が出たとしても軽症のうちに対処できるように予測すると、副作用は小さく、しかし効果のある薬を使うことができるようになります。
 
将来的には、ゲノムとかを解析すると、副作用の起こりやすさなどが判明するかもしれません。しかし現状では使ってみないと副作用が出るかどうかわからないことが多いです。
 
そのような時、「副作用が出るかもしれないからやめておこう」ではなく、「飲まないよりは飲んだ方が健康寿命が長くなる」などのメリットがあるから飲もうと思えるように医療としても説明していければと思いますし、皆さんに医療の道具をしっかり使ってほしいと感じます。
 
来ていただいた方にはよく言っていますが、「薬は道具」です。
使い方を間違えると自分がけがをするかもしれませんが、うまく使えば自分の幸せにつながるものになると思いますので、もし心配事などがあれば、しっかりと相談して、ご本人にあったものを勧められたらと思っています。
 
もちろん、薬を使わない治療を希望する方に対しては薬を使わない治療も提示します。
ただ、薬が開発されていなかった中世の状況を考えると、薬がない状態で治療するのは、非常に困難を伴うのですよね。
 
もし薬を使わないで治療することを希望するときは、その展望を伝えた上で、納得のいく人生になるように相談できたらと思います。
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