さて、ここからはよくありそうな話をしようとしますが、例えば、なんか具合が悪いと思って病院に受診したとします。
その病院で色々と検査をしたとしましょう。
そして医者が言うわけです。「何も異常はありませんでした」と。
その時に、「ああ、じゃあ何ともないな」と納得いくでしょうか。
「いや、そんなこと言っても、具合が悪いんだけど」と思いませんでしょうか。
実をいうと、患者さんやご家族のニーズと医療者の評価がずれるところはここにあります。
医療者は実をいうと、「放っておくとすぐに危ない病気」を否定するのが大事と思っています。
そして、その次に「放っておくとやがて危ない病気」を否定しようとします。
何の話かと言いますと「患者さんがつらいかどうか」というところが考慮点になっていないのですよね。
でも、患者さん側からすると違うわけです。「今の苦しい症状を何とかしたい」というのが第一ですよね。もちろん、適切な治療をしてほしいという方も多いかと思いますが、それも「結果的に今の苦しい症状が何とかなる」ことが前提かと思います。
そして、正しい治療のためには正しい評価が重要です。
下手な鉄砲も数撃っても当たりませんので。
このような意味合いで、老年内科などもやっている立場としては、加齢もまた一つの疾患として認めてほしいという側面があります。
そして、老年内科という立場からは、一つの病気を突出して治すというよりは、「複数の臓器が足並みをそろえて少しずつ機能低下するところで抑える」というのがゴールであると考えます。
どんなに良い治療でも、一つだけ治そうとして全体的に悪くなったら、治す意味がないと思いますので。
一通り、足並みをそろえて治療するためには、複数の疾患がある時に、どの疾患をどの程度治すかというバランス感覚が大事です。
個別で相談が必要と考えますため、もし複数のご病気をお持ちの方がいらっしゃるときはご相談いただければ幸いです。