今日は少し趣向を変えて、心のバランスについて書いてみようと思います。
私は外来では皆に決まって聞きます。「調子はどうですか?」と。
でも、「この質問って、実を言うと非常に難しい質問じゃないですか?」と言ってみます。
なぜかというと、たとえば「自分としては調子いいんだけれど、本当に調子がいいんだろうか?」と思う方もいると思うからです。
仰る通りです。なので、この正確な答えは「(自分としては)調子が良い(悪い)です」なのだと伝えます。
何の話かと言いますと、自己評価って、あてにならないということです。
例えば仕事をしていても、自分としては調子よくやってきたように思っても、チームメンバーや部下からは「パワハラ上司」と思われていることも世の中でよくあることだからです。
では、本当に調子が良い状態とは、どういうことなのでしょうか。
提案するのは、「自分からみても調子が良いし、周りからみても調子が良い状態」ということです。
メンタルの重症度を測るときに一番大事なのは、「自分と他人の評価のずれ」です。
メンタル不調がないときは、自分と他人の評価がずれることは少ないかと思います。
しかし、例えばうつになってみたり、調子に乗って他人を叱責してみたり、そうすると、本人の感覚と周囲の感覚がずれることがあります。
皆さんもよく、自分としてはすごく気にしていることが他人からすると大したことがないと言われたり、
あるいは自分としてはどうでもいいと思っていることが他人からすると大問題だと言われた経験がありませんでしょうか。
人間、自分の気持ちを我慢せずに過ごせる時が(自分として)一番調子が良いです
ただ、自分だけ調子が良い状態というのは、周囲としては迷惑になることもあるわけですよね。
そのあたり、Mr.Childrenの曲の「シーソーゲーム」だなと様々な人間関係に触れて感じます。
メンタル治療の目標は様々ありますが、
- 自分として調子が良い
- 自分の目標が達成できる
の他に、他の人との関係が良好ということもあるのではないかと提案します。
これを精神療法・環境調整・薬物療法で達成するというのが目標の一つになります。
もしこの記事に関連してさらに話を聞いてみたいという方がいらっしゃったら、クリニックにご連絡いただければ幸いです。